卵から育てよう
カブトムシ
~クロッシングから産卵、孵化まで~
【準備】
マットを多め(10㎝厚程度)に入れたケースにメス2~3匹とオス1匹を入れます。
通常どおりケースには餌皿や登り木をセットし、餌を与えながら2、3日待ちます。
その後オスを取り除き、そのケースでメスだけを飼い続けます。
メスがマットの中に潜り続けるようになると産卵の開始です。
【産卵】
メスはマットの中に小さな穴を作りつつ、そこに卵を産み付けます。1匹1回で20個くらいでしょうか?
しかし、他のメスもいることからマットは撹拌し続けられ、卵が割れてしまうので、適当なところでメスを別ケースに移し変えます。
適度な湿り気を与えつつ、3週間もすると幼虫が誕生します。
幼虫が誕生しても暫くはマットを食べて育つので、そのままで大丈夫です。乾燥させないように注意しましょう。
【チェック】
1ヶ月くらいしたら、ケースの中を調べましょう。 卵のままでしたら、再びマットの中に戻します。そのときは、ケースにセットしたマットに割り箸で穴を開け、 卵をプラスチックのスプーンなどでその穴に落とし込みます。決して卵を手で触らないでください。
~幼虫から羽化まで~
【ケースセット】
カブトムシは腐葉土で育てます。多頭飼育が可能ですので、腐葉土とマットを1:1くらいで混ぜ、 適度な湿り気を与えたもの(以下「腐葉土」とまとめて言います。)を大きめなケースにセットし、その中に幼虫を入れます。 これで完了です。幼虫もできるだけ手で触らないようにしてください。 小バエが湧きますので、新聞紙等で必ず蓋をすること。そして直射日光の当たらない場所で保管します。
【飼育】
カブトムシは大食漢です。どんどん大きくなりますので、餌を切らさないよう、冬までは1ヶ月に1回くらいチェックしてください。 腐葉土が入っているようで、半分糞だったりします。 腐葉土を交換するときは、若干糞を混ぜるようにしてください。幼虫が安定して育つようです。 また、幼虫の成長に併せてケースの大きさを考えてください。最終的には1匹が成人男性の親指より大きくなります。 蛹化の時などは小型の衣装ケースで10匹くらいが目安です。プラケースLでせいぜい3匹です。Mだと2匹になります。
豆知識part1
甲虫の糞は植物を育てるのに有効な肥料になります。砕いて土に混ぜて使っても良し。 ジョウロにいれて水溶液として撒いても良しです。
【蛹室管理】
11月に腐葉土を取り替えた後、12月~3月の期間は幼虫の活動が鈍りますので、乾燥だけに注意していれば問題ありません。
3月に再度新しい腐葉土にとりかえてください。GW前までに更に1回り大きくなるでしょう。
GWを境に幼虫は蛹化の準備に入りますので、その後はケースを弄ってはいけません。
できればGW前に一度腐葉土を取り出し、ケースの底から10㎝程度黒土を軽く締めて敷き、その上に腐葉土を入れ直してください。
幼虫は黒土に蛹室を作ります。この作業が面倒な場合は、むしろこの時期腐葉土は交換しないでください。
幼虫は糞をケース底に集め、糞を締め固めて蛹室を作るからです。
【誕生】
我が家の場合、室内飼育ですので幼虫はGW明けから蛹室を作り始めます。その後、前蛹、蛹、成虫と変化していきます。 蛹の期間が3週間程度ですので、6月中旬には成虫が飛び出してきます。 ベランダ等屋外で飼育する場合は、2~3週間程度遅れるかもしれません。
豆知識part2
黒土を入れるケースに黒紙を巻いた1.5㍑のペットボトルなどを活用し、1匹ずつ管理すると、 ケース端に蛹室を作ることがあります。前蛹、蛹、成虫の課程が観察できます(^^)。
クワガタ
~クロッシングから産卵、孵化まで~
オオクワガタ、コクワガタとノコギリクワガタで若干異なりますますが基本は同じです。 クワガタは基本的に木の中に卵を産みます。ノコギリクワガタなどはマット産卵が可能ですが、 やはり産卵木を用意した方がよいでしょう。
【準備】
産卵木を購入したら、一晩水に浸けます。十分水を吸い込ませた後、適度な湿り気まで若干乾燥させます。
産卵木の皮を半面、カッターナイフで削り、皮と削った面を半々ずつ外に出るように産卵木の半分をマットに沈めます。
産卵木をセットしたケースにメス2~3匹とオス1匹を入れます。
通常どおりケースには餌皿や登り木をセットし、餌を与えながら2、3日待ちます。
その後オスを取り除き、そのケースでメスだけを飼い続けます。
【産卵】
産卵木に削り跡が次から次へとたくさんできると、メスが卵を産んだ証拠。 ノコギリクワガタは、あまり削り跡をつけませんが、マット内で着実に事が進んでいると思います。 幼虫は産卵木の中で育ちますので、ケース内を乾燥させないよう管理しつつ10月中旬くらいまでそのままにしてください。 途中でメスは別ケースに移動させます。
~幼虫から羽化まで(マット飼育の場合)~
【チェック】
いよいよ産卵木割です。産卵木はかなり朽ち果てていると思いますが、マットから産卵木を取り出し、少しずつ剥いていきます。
幼虫が見つかるはずです。産卵木周りのマットにも幼虫がいることがあります。ケース内もしっかり確認してください。
【瓶セット】
取り出した幼虫は、1匹ずつ管理しなければなりません。クワガタの幼虫は互いに傷つけ合い、死んでしまうからです。
小さいうちはプリンカップ、大きくなってからは瓶で管理します。
湿らせたマットをカップ若しくは瓶にギュウギュウに詰めます。木の変わりにする訳です。幼虫はこのマットを食べて育ちます。
マットを詰めた後、真ん中に割り箸で幼虫の体と同じ大きさの穴を明け、幼虫を入れます。幼虫は穴をとおり内部に入っていきます。
このとき、穴が大きすぎると不安がって出てきてしまいます。小さいと入れません。うまくやってあげてください。
【飼育】
2齢幼虫の初期まではプリンカップで大丈夫です。その後、瓶に移し替えてください。
カブトムシは蛹室を縦に作りますが、クワガタは横に作ります。クワガタの大きさの瓶の径が必要となります。
1.5㍑のペットボトルを活用してもよいでしょう。瓶はDIYセンターなどで安く購入できます。
11月中旬、瓶に移し替えてしまえば、あとはすることがありません。
新聞紙等で蓋をして、乾燥させないよう、たまに霧吹きしてください。
【誕生】
コクワガタなどは6月頃に蛹化し、7月には出てきます。 ノコギリクワガタは2年もので、7月~8月頃には成虫になりますが瓶から出てきません。 来年の夏まで瓶の中で餌もとらずじっとしています。 万が一、様子が変な場合は瓶からそっと取りだし、マットを敷いたケースに移し替えてください。
幼虫飼育のワンポイント!
甲虫の成虫は、幼虫の大きさに比例します。成虫になってからは決して大きくなりません。 また、幼虫の大きさは冬まででその大勢が決まります。春になってからは蛹化まで時間がないので 大きくなりにくいのです。甲虫を大きくしたい場合は、冬までの間にがんばってください。 (そのために、発酵マットや菌糸瓶などが発売されています。)