迷走から学ぶ超基本
房総ランガンの迷走から、初心者Dr.Kが学んだ ‘人があまり教えてくれないソルトゲームの超当たり前なのかもしれないこと’ を以下に整理してみた。しかし、あくまでDr.Kの視点であり、正解とは限らない。
ターゲット
魚を釣るに当たり、ターゲットの捕食行動等を考えることは大切なことだと思う。
Dr.K's ポイント
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- ターゲットの活動時間を考える!
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魚の活動時間を調べていくと、水産試験場などの文献から以下のように整理できた。
昼行性 昼夜行性 夜行性 昼夜共に活動する種 夜は活発で、昼は不活発の種
昼活動することが少なく、夜間は昼より多少よく活動する程度の種サヨリ、カマス、アイナメ、キス、マダイ アジ、サバ、ブリ類、イサキ
※ブリ類の一部は、夜目が利かないともいわれる。イカ類、クロダイ、アナゴ、カサゴ・ソイ、キジハタ・アコウ、メバル、シーバス、タチウオ、ムツ、ヒラメ
※ヒラメは、夜、目が見えないともいわれる。キス、マダイは昼夜共に緩慢 夜間活発に活動しても、索餌を目的とした行動でない 夜間、昼より多少よく活動する程度の種が多い ここからは自論だが、活発なマズメ時にも昼行性、夜行性の差があるような気がしている。
経験からして、昼行性(昼夜行性含む)の魚は朝マズメ前後、夜行性の魚は夕マズメから数時間の方が活性がよい。索餌活動を始めるマズメの方が腹を空かしているということだろう。
もちろん、アジやサバが夜間にライズしていたりすることから、食べられる時に食べるというのが野生なのだろうが、積極的な捕食時間帯でない場合、ルアーマンとしてはアピールやリアクションで誘発することが必要だと思う。
餌となる小魚・プランクトンの活性や目が利く時間といった関係から、マズメは外せないとして、ターゲットによって狙う時間帯を変えていくのも面白いかもしれない。
- 「魚群」と書いて「なむら」と読む!
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イワシやアジが群れをなしているのは周知のことだが、実は多くの魚が群れをなすとのことだ。しかも、同一魚種のほぼ同一体長で。
では、魚はなぜ群れをなすのか。それは体温の低下防止や捕食される危険性を低くしたり、逆に餌を発見しやすくするためという考え方が主流らしい。
では、その中にリーダーはいるのかというと、リーダーはおらず、多数決的に行動が決まっていくとのこと。複数の魚が向きを変えた方へ全体が動いていき、一定の魚が捕食を始めれば、所謂「なぶら」となっていく。
それでは、魚はなぜ同種を判断できるのか。群化に関わる感覚には、視覚、聴覚、嗅覚や、機械的感覚などがあるようだが、最も重要なのは視覚らしい。そして、同種個体の判別には、視覚に加え、嗅覚が大きく関わっているとのこと。
何れにしても、捕食される可能性のある魚は群化しやすいのだろう。アジやイワシのほか、ムツっ子、セイゴ、ショゴ、ワカシといった幼魚も例外ではない。
これらの魚は、1匹釣れれば複数釣れることが頷ける。逆に、バラシが多くなれば、群でいなくなる可能性も高くなる。
そして何より、群れが捕食するものは、その日その時その場所ごとに、ほぼ同じものと考えられる。状況によって当たりルアーが出てくることも理解できる。
アミ、バチ、シラスなどのパターンを見極めていくことは元より、ワームの色や動きのほか、バラシを少なく、スレやリリースにも気を使っていくことが重要だ。1匹釣れたら、少し粘ってみることも。
ライトゲーム
ここでは、ゲームタックルで紹介しているロッド、リール等を使用しての実釣をもとに、Dr.Kが経験して感じたことを記載している。
Dr.K's ポイント
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- スプール、ガイド内に結び目を作らない!
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極細ラインを使用するライトゲームでは、スプール内に結び目があると、ラインが減った際、その結び目にラインが引っ掛かり、スムーズなキャストが出来なくなる。そればかりか引っ掛かったラインが傷ついてしまう。
また、リーダーとの結び目をガイド内に入れてしまうと、極小ガイドのアジングロッドでは、結び目がガイドに引っ掛かり、飛距離が伸びなくなる。
Dr.Kは下巻きはせず、最初の結び目にはシールを貼り、リーダーは3、40㎝程度に止めている。ソアレC2000の糸巻き量は2lbで170mとなっているが、メーカーの言うほどは巻けず、100mを巻くとスプールの規定量の7~8割ぐらいとなる。しかし、エステルやフロロの場合、むしろ8割程度が非常に扱い易いのだ。
- スプリットリグはガン玉の付け方に注意!
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スプリットショットのガン玉はほぼズレる。ズレないように強く締めたり、何度も位置を戻していると、細糸ではすぐにラインが傷み、いざという時に切れてしまう。
ゴム付きの高価なガン玉などで丁寧に扱うという方法もあるが、とあるサイトでリーダーとラインを結んだ際の余りを活用している人がいた。
Dr.Kもそれに習い、結んだ際に本線の余り1cm程度のところにコブを作り、コブと結束点の間にガン玉を打つことにした。これにより、ズレないしラインシステムにも影響がなくなった。
- スプール内に出没するピョン吉を見逃すな!
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ラインにエステルやフロロカーボンを使用する場合、スプールに巻いた後2、3日寝かせてから使用しないと、反発力の強さでラインが大量放出してしまうことがある。
一方、スプールに馴染めば馴染んだで、今度は巻き癖がつき、飛距離に影響が出たり、カール部分がヨレたままスプールに巻き込まれてしまう。通称「ピョン吉」の登場だ。
ピョン吉が出没したことに気付かないでキャストすると、運がよければラインが引っ掛かるだけだが、最悪はバックラッシュ。 いつの間にか忍び寄るピョン吉を闇夜の釣りでも決して見逃してはならない。
ピョン吉が現れたら、ベールを起こしてラインを出さないこと。バックラッシュの原因になってしまう。ドラグをユルユルにし、スプールから徐々にラインを引き出し、ティップから海に落としていく。ピョン吉にたどり付けば簡単にほぐれるのだ。
なお、フロロラインの巻き癖が強くなった場合、ジグヘッドを何かに引っ掛け、ドラグを緩めて後ずさりし、キャストの飛距離分以上のラインを出してからテンションをかければ、その分は真っ直ぐになる。LEON加来さんがYoutubeで紹介しているので参考にしてみたらいかがだろうか。エステルはラインが伸びて細くなってしまうので、やめましょう。
- アジングのジグヘッドは番数より形状重視!
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アジングのジグヘッドのサイズは、主に#8~#10を使用している。JAZZの尺ヘッド(鯵ヘッド)#10は、TICTのアジスタSサイズと同等くらい。土肥富のレンジクロスのMが#8と#10の間くらい。
#10(上)と#12(下) アジングを始めるに当たり、フックの番数選択にとても悩んだ。#10やSサイズは、ジグヘッドでも小さいサイズだが、サビキでよく使用していた7号サイズの鈎に比べるとかなり大きい。
一方、アジスタのSSサイズやジグヘッドたけちゃんの#12であれば、7号サイズにかなり近くなる。また、アジには#12、メバルは#10などという声も聞こえてくる。
結論から言えば、#10で全く問題なかった。10㎝程度の豆アジでも問題なくフッキングする。むしろアジのサイズが20㎝に近くなれば#8の方がフッキングがよい。
尺ヘッドと鰺ヘッド また、これまでの経験を整理すると、番数よりシャンク長やヘッドの大きさといった形状の方が大事であるという感覚。ショートシャンクであることはかなり重要だと思う。ショートシャンクであれば、短いワームでも可動域が増えるし、吸い込みもしやすい。
アジは、ワームを後ろから吸い込むとは決まっていないらしい。丸ごと吸い込むイメージの方が強いのかもしれない。だからこそ、重さはもちろんのこと、ヘッドの大きさやシャンク長、ゲイプ形状など、吸い込みやすさ、フッキングに気を使う方がよい。フックサイズが小さくなれば、吸い込みやすいがフッキングの確率は下がる。Dr.Kは#8、#10が基本。もちろん、ダート性能やフォール姿勢、ラインテンションなどから、ヘッド形状も吟味する。
- ラインテンションは「考えるな。感じろ!」
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‘Don’t think. Feel!’(考えるな。感じろ!) とはブルース・リーの名ゼリフ。まさに軽量ジグヘッドによるアジングにおいて、ラインテンションをキープする術はこの言葉どおりである。
アジングでは喰わせの間、すなわちフォール中での繊細なアタリを取るため、フォール中にラインテンションをキープし感じておくことが重要である。Dr.Kは最初、ナイトゲームの暗闇では、軽量ジグヘッドがどこまで飛んだのかはもちろんのこと、ジグヘッドのテンションなど全く分からなかった。
1.5g以上のジグヘッドであれば、その存在を感じとることができたが、1g以下となるとリトリーブ中のテンション以外、全く感じとることができなかった。アジの活性の高い時期であれば、1.5gのジグヘッドや巻きの釣りで問題ないであろうが、低活性時では釣れないのも当然である。
そのような時、アジングファンというサイト(現在は終了)で、自宅で猛特訓!ジグヘッドの存在を感じる練習方法!というページを知った。
~要旨~
「アンダー1gの存在感」を得られるようになることがアジングで一番必要なスキル。
[練習手順]
- 1. ラインが弛んだ状態でジグヘッドを床におく。この時ロッドは下向きに構える。
- 2. 目を瞑ってゆっくりロッドを立てて行く。
- 3. ラインが張ったと思った時に目を開ける。
- 4. ジグヘッドが床に付いていればOK。床から離れている場合は失敗。重めのものから。
- 5. 1ランクずつ軽くして行く。(1g⇒0.8g⇒0.6g⇒0.4g)
まさに「考えるな。感じろ!」。ついでにトウィッチやジャークの時のラインスラッグをリーリング何回転で回収できるのかも確認してみるとよい。感覚だけがすべての闇夜では役に立つ。
この練習のあと、Dr.Kがアジのアタリを捉えていることは言うまでもない。
- ラインにもストックマネジメント!
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ストックマネジメントとは、機能保全や予防保全により既存施設の長寿命化を図り、維持管理コストを低減化するための手法である。簡単に言ってしまえば、何でもかんでも新しくすればいいってものではなく、使えるものはメンテナンスして長く使って懐に優しくねってことだ。
社会資本の維持管理とライトゲームのライン交換では、ルパン、いや、次元が全く違う話だが、小遣い制で懐の寂しいルアーマンにとっては、機能保全、予防保全は重要な話なのである。
PEラインであれば、釣行後の塩抜きは当たり前だと思うが、極細フロロやエステルも同様である。特に遠投を繰り返した後、放置していると、奥の方のラインが塩で付着してしまい、次のキャスト時にライン放出がスムーズにできない。
付着したラインをゆっくり巻き取っていくと、パリパリ音がするのが判るほどだ。釣行後はPE同様、塩抜きをしたい。Dr.Kは、ドラグをしっかり締め、リール内に水が入らないよう、スプールのラインにまんべなくそっと水を流しかけたりしている。
しなやかなフロロはお値段もそれなり。機能保全、予防保全で釣りのコスト低減化を!
なお、極細エステルは力がかかる箇所のラインが徐々に伸びて細くなる。釣行のたび4、5m程、切り捨てた方がよい。フロロよりエステルの方がコスパが良い分、どんどん切って、短くなったら巻き替えよう。
- 男なら風に向かって立つ!
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投げ釣りをしていると強風は大敵。ライトゲームも例外ではない。軽量ジグヘッドを扱うライトゲームでは、ついつい風を背にしたくなるが、ちょっと待った!
確かにキャスティングは楽になる。しかし、ラインが風に煽られると軽量ジグヘッドは沈まない。ラインを足下から沈めることができれば風の影響は小さくなるが、それでも追い風による払い出しの中では、リーリングで浮きがちになる。
そこで、表層のドリフト釣法でないなら、風の真正面に投げてみることをお勧めする。ラインが海面に抑え付けられるのが分かる。そのままラインを送り込み、ジグヘッドをどんどんフリーフォールさせるのだ。
ジグヘッドが寄ってくるのが早いこともあるが、テンションフォールと思えば、沈まないより全然よい。風や潮でもラインが張ってさえいれば、アタリはとれる。
なになに、風真正面に軽量ジグヘッドはキャストできない?、そんな時はスプリットやキャロなどのリグを使ってみるのも一手。風と潮流がある時はスプリットで一気に沈め、風だけの時はMキャロ。一度お試しあれ。
余談だが、向かい風の時、足元に波の衝突による潮目が出来ている場合がある。プランクトン類も風に吹き寄せられ、潮ヨレで沈む。ポイントも近づくのだ。所謂ウインディサイドというやつ。逆に、追い風の時はポイントも遠のく傾向にあるようだ。
- ラインとアクションとロッド♪
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ライトゲームに少し慣れてくると、ライン選択やアクションの強さ、ロッドのタイプなどにいろいろ考えを巡らせる。
アジングで言えば「ラインは感度のよいエステル」とか、「アクションが大きすぎる人が多い」とか、「掛け調子のロッドがアジング向き」といった情報が溢れ、それが唯一の正解のような錯覚に陥る。
確かに「掛け調子のロッドにエステルラインでアクション小さめ」というのがアジングの主流で、情報としては正しいと思うのだが、逆に言えば、掛け調子のロッドと伸びの少ないエステルラインのパッツン系だからこそ、ドラグズルズルで小さめアクションという構図になる。
しかし、乗せ掛け調子のロッドで小さなアクションをしても、ジグヘッドには伝わりにくい。実は大きめなアクションの方が、ヒット率が高い。そう、大事なことはラインとアクションとロッドのコンビネーションなのだ!
乗せ掛け調子のロッドは、ある程度の柔らかさを兼ね備えているので、強いアクションをしてもジグが跳ねない。柔らかさを利用したワインドアクションなどで、ジグヘッドやメタルジグが水に絡むように操作する。主流とは違うがDr.Kはむしろ攻めの釣りだと思っている。
一方で、乗せ掛け調子のロッドでは、手に伝わるアタリの感度が若干落ちることも確か。でも、そのために穂先に巻いた色付きのスレッドなどがある。掌でアタリが取れなければ、目で取るという方法も。
なお、一般的に、パッツン系タックルは複雑な潮流も捉える感度の良さでゲーム性が高く、柔らかめタックルは小魚を弾きにくい特性があると言われている。どちらを選ぶかは好み次第。