リールチューンアップ
釣りにおいて、主たる駆動系の機械はリール。きちっと管理するか、しないかで、実釣時の感覚がまるで違う。
13ソアレCI4+ C2000PGSS
2週に1回ペースの釣行を重ねたところ、2年を待たずにシャリ感が出てきた。原因を調査した結果、ラインローラーに違和感があることが判明。メンテナンスだけでなく、カスタムも行ってみた。
13ソアレはアジングなどのウルトラライトゲームに使用する。そのため、細糸を使う。できるだけ感度の向上や糸ヨレ防止をしたいので、ラインローラーを2ボールベアリング(2BB)化した。
標準はラインローラーの中に、1個のベアリングが組み込まれている。一方、2BB化はラインローラーの左右からアタッチメントを使い、2個のベアリングで挟むように受ける。ラインローラーが浮いている形になるので、非常に軽やかだ。
ラインローラーの2BB化にはヘッジホッグのキットを使用したが、10ステラのパーツを流用しても大丈夫。10ステラは純正で2BBのラインローラーを実装しているからだ。
なお、10ステラや12ヴァンキッシュのラインローラーはDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)仕様となっており、防錆効果が高いらしい。通常のラインローラー500円に対して、DLCは1000円。ラインローラーそのものが、早く傷んでしまうようなら、使ってみる価値はあるかも。
ラインローラーのほかにも、ハンドルノブにベアリングを追加し、2BB化した。ハンドルノブは、ベアリングとプラスチックカラーで支えられており、この両方を新品のベアリングに交換。


また、ドラグ系(スプール受けとスプール内)のベアリングも交換した。13ソアレはリジットサポートドラグを採用しているため、スプール内にもベアリングがある。


ドラグ系のベアリングの有無は、ドラグの滑り出しと回転の安定性に違いが出てくる。細糸での釣りにはリジットサポートドラグも無いよりあった方がよい。
これらのべアリング交換はミネベア製品を購入。実はヘッジホッグのベアリングはミネベアが供給している。シマノ純正品もミネベアが供給元の一社。キットではなくミネベアのベアリング単体なら、通販で1個200円台。
これだけ安いなら、ヘッジホッグやシマノ純正の防錆加工を施したベアリングではなく、定期的に交換した方が、安価に初期性能が保たれる。ミネベアの通常品も、両面シールドタイプのステンレス製だ。
今回、ベアリングを交換して分かったことは、直接外気に触れやすい箇所のベアリングほど、ベアリング内部のグリスが溶け出し、回転が軽いか、摩耗し違和感が出ていたことだ。
シールドタイプのベアリングは、出荷当時、劣化防止のためメーカーが最適なグリスを封入している。それが、注油や経年変化により、徐々にグリスが漏れ出し、いずれ摩耗する。
グリスがなくなった状態が、抵抗がなく一番軽く回るのだが、グリスが無ければ常に注油していないと、すぐに不具合が発生する。究極の回転性能を求める訳ではないので、新品のベアリングを定期的に交換する方が、効果的・効率的だと改めて実感した。
(令和7年2月24日追記) リール本体2回目のオーバーホールの際、リール内部のベアリング交換のほか、ウォームシャフトブッシュ(後)と摺動子内のウォームシャフトカラーもベアリングに交換した。


ただし、摺動子内のウォームシャフトカラーをベアリングに交換すると、ウォームシャフトピンがウォームシャフトの溝に当るコツコツ音を大きく拾うことがある。
そこで、ウォームシャフトカラーの厚み5㎜強に対し、ベアリングを2個用意した上で今回は0.1㎜のシムワッシャーでクリアランス調整を行いベアリング同士の干渉を避けつつ、ウォームシャフトにもグリスを多めに塗布した。また、ウォームシャフトブッシュ(後)とベアリングの厚みの差には0.3㎜のシムワッシャーで調整を行った。


摺動子内部のベアリングを2個1と考えると、これでこのリールに使っているベアリングは実質12個。ウォームシャフトブッシュ(前)をベアリング交換できれば、ステラなどと同じ13BBのフルベアリング化になるのだが、特殊形状のため、これに合うベアリングはない。
そもそもステラなどとはギア製造の精度、材質が違う。同じ滑らかさを求めることはできない。ノーマルより多少良くなった程度。意味あるかって?趣味の世界(笑
| 箇所 | サイズ | 品番 | 個数 | 備考 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ラインローラー | 4×7×2.5 | DDL-740ZZ | 2 | 2BB用 | |
| ハンドルノブ | 左右 | 4×7×2.5 | DDL-740ZZ | 2 | |
| スプール内 | 6×10×3 | DDL-1060ZZ | 1 | ||
| スプールシャフト | 7×11×3 | DDL-1170ZZ | 1 | ||
| ピニオンギア | 前 | 7×13×4 | DDL-1370ZZ | 1 | |
| 後 | 5×8×2.5 | DDL-850ZZ | 1 | ||
| ドライブギア | 右 | 7×11×3 | DDL-1170ZZ | 1 | |
| 左 | 7×13×4 | DDL-1370ZZ | 1 | ||
| ウオームシャフト | 後 | 3×6×2.5 | DDL-630ZZ | 1 | sim0.3 |
| 摺動子内 | 2×5×2.5 | DDL-520ZZW52 | 2(1) | sim0.1 | |
15ストラディック 3000XGM
このリールのラインローラーは、シマノのコアプロテクト技術を導入。ラインローラーとベアリングを一体化し、撥水加工を施すことによって、水の侵入を防止するものだ。
一体化されているので、ベアリングだけの交換はできない。ラインローラーのユニットとして交換する。最近のシマノは、ラインローラーもコアプロテクト化したので、ステラやヴァンキッシュも1BBとなり、この箇所はメンテナンスフリーとなった。
Dr.Kは、この番数のリールでは繊細な釣りをしないので、ラインローラーに一体化された1個のベアリングが付いていれば十分。ただし、交換費用はユニット交換となるので、高くついてしまう。
どうしても2BB化したい、またはベアリングを交換タイプにしたいということであれば、コアプロテクト化される前の他機種のパーツを流用する手もある。シマノのリールは機種が違っても1000番から4000番は共通パーツを使用していることが多いので、組み込めるはずだ。
(令和元年5月13日追記)
ということで、実際にベアリングを交換タイプにしてみた。12ヴァンキッシュのDLCタイプのラインローラーと、13ソアレの1BBのパーツを流用する。いずれもサイズは同じ。ベアリングカラーの金属素材が若干違うか。でも全く問題なく組み込める。
コアプロテクト化されていてもラインローラーそのものは2年もたない。これで、ラインローラー本体はDLC仕様で長持ちさせ、安価なベアリングは定期的に交換できる。


さて、15ストラディックは、リジットサポートはむろん、スプール受けのベアリングも入っていない。代りにプラスチックカラーが入っている。
リジットサポート機能はないため、スプール内にベアリングを入れるスペースはない。しかし、スプール受けのプラスチックカラーだけでもベアリングに交換すれば、ドラグ機能は向上する。
ちなみに、ドラグノブごと互換性のある15ツインパのスプールに交換してしまえば、リジットサポートドラグになるが、価格が高い。であれば、最初からツインパを買った方がよい。ウルトラライトゲームでもないので、スプール受けだけで十分。
既に装着していたスプール受けのベアリングを交換するとともに、ソアレ同様、ハンドルノブ部にベアリングを追加した。


これらの交換したベアリングがあまり劣化していなかったので、使用感はほとんど変わらないが、でも、それが大事なのだ。
19ヴァンキッシュ 2500S
完成度の高いリールであり、デフォルトのまま使い続けるつもりだった。しかしながら、コアプロテクトからXプロテクトに進化した防水機能により、ラインローラー部だけがどうにも気になりはじめた。
使用後の水洗いを終えたあと、各所の隙間に入り込んだ水分をエアスプレーで飛ばすのだが、ラインローラー内部を覆う撥水グリスが飛び出てきてしまう。
Xプロテクトのラインローラーは、ラインローラーとベアリングを一体化し、撥水グリスで覆うことによって、水の侵入を防止している。
メンテナンスする場合は、ベアリングと一体化したラインローラー自体の交換と撥水グリスを使用する必要があることから、費用もかかる。このため、2BB化してしまった。

2BB化の効果については、13ソアレのところで記載しているので割愛する。2BB化には香川塩ビ工業のキットを使用した。ラインローラーは12ヴァンキッシュと同じDLC、ベアリングはミネベア製だ。
注意しなければならないのは、完成度の高いリールだからこそ、クリアランスや重さのバランスを崩さないこと。
まずはクリアランスの確認。電子ノギスで確認すると、交換パーツ部は純正が7.28㎜。2BBキットは7.08㎜でその差0.2㎜。2BB化はパーツ点数も多く、パーツ間のクリアランスを考慮し0.1㎜のシムワッシャーを追加した。

重量は純正が1.5gなのに対し、キットは1.0g~1.5g。これで、ラインローラのブレも、ローターの回転振動も生じていない。



